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ダンディな男にはパパイヤが似合う

以前書いたエジプトについての本の中で、砂漠の中の岩窟修道院に暮らすコプト教の修道士の話を書いたことがある。

エジプトには4世紀にまでさかのぼる修道生活の伝統があり、いまでも各地に古い修道院がある。ところが、あるときエジプト西部の砂漠にクジラの化石を見に行ったとき、その砂漠のさらに奥で、10人ばかりの修道士が岩穴に住み込んで古代さながらの修道生活を送っているという噂を聞いて、そこまで訪ねていった。

彼らはきわめて厳格といわれるコプト派修道院の暮らしにも飽きたらず、さらなる孤独を求めて砂漠に修行の場を求めた人たちだった。けれども、そんな修行者にもかかわらず、思いのほか、オープンで、気持ちのいい人たちで、以来、エジプトを訪ねるたびに彼らのもとに足を運んでいる。

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もっとも、行くたびに、以前いた修道士が砂漠を去っていたり、新しい修道士がふえていたり、新しい建物ができていたり、岩壁に絵が描かれていたりと、ちょっとずつ変化がある。本では、そんな修道士たちの暮らしぶりや彼らとの会話、そこから見えてきたエジプトの思いがけない一面などについて書いてある。もっとも、編集長からは「この原稿、ちょっと長いよお」といわれたりしていたのだが、先日、ユダの福音書についてネットで調べていたところ、偶然、こんな記事を見つけた。おお、見ている人は、ちゃんと見てくださっているではないか! どうだい、編集長。

植島さんが書いているように、あれは5年くらい前にバリ島のウブドに行ったときのことだ。ちなみに、あのときはエジプトから戻る途中ではなく、日本から行ったのだけれど、そんなことはどうでもいい。植島さんの本は、ずいぶん前に何冊か読んでいて、このときも偶然ウブドのカフェ・パディの本棚で植島さんの『男が女になる病気』を見つけ、なつかしいなと思っていたところだった。

それから数日後のある朝、ロスメンで朝ご飯を食べていたら、うしろのテーブルでダンディな中年男性が、テーブルにひろげた書類に目をやりつつ、眉間にしわを寄せてパパイヤを食べていた。彼はときどき顔をあげて庭の木々に渋い視線を投げかけ、ふたたび書類に目をやり、パパイヤをそっと口に運ぶ。

そのしぐさが、いかにもダンディで、自分もいつかあんなふうにパパイヤの食べられる男になりたいと思いながら、となりの息子を「ほら、よそ見してたらこぼすでしょ!」とたしなめていたのだが、ふいに、あれ、このひとの顔はどこかで見たことあるなと思い、しばし考えるうちに、はっと思い出した。そうだ、このダンディな中年男性こそ、アカデミズム界の火野正平(古い!?)とたたえられる宗教学者の植島啓司さんその人にちがいない。

なんで顔を知っていたかというと、カイロにいたとき、だれかからもらった雑誌に、ぼくの訳したことのあるグラハム・ハンコックと植島さんとの対談がのっていたからだ。そんなわけで、「植島さんですよね」と声をかけさせていただいたのだった。

植島さんはロスメンのいちばん奥にある二階建ての広いバンガローに泊まっていた。夜になると、彼のゼミの学生たちが十数人もやってきて、夜遅くまで楽しそうな笑い声が響いていた。植島さんのゼミはすごく人気があって、毎年50人以上も集まるので、ほかのゼミの先生からやっかまれるのだという。

「でも、たいていの先生は学生の就職の面倒なんてちゃんと見ないんです。でも、ぼくは学生がちゃんと就職できるように、できるかぎり面倒は見てあげるべきだと思う。だから、ぼくのゼミの就職率はとてもいいですよ。いろいろ紹介もしてあげるから、マスコミに行った学生もずいぶんいます」と植島さんはいった。なんて、いい先生なんだ。この面倒見の良さ、マメさこそもてる秘訣にちがいない。

植島さんは「いま聖地についての本を書いています。世界中の聖地には、かならず共通する要素があるんです」といっていた。「へえ、なんですか」「たとえば、石です」聖地と呼ばれる場所はなんらかの形で、かならず特別な意味をもった石と関係しているというのだ。なるほど、たしかにエルサレムの神殿の丘にしても、ピラミッドにしても、ギリシアのデルフィにしても、日本の出雲や伊勢にしてもそうだ。それはのちに『聖地の想像力』という本になった。頭の中を整理してくれるような本だった。

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ともあれ、旅先でのほんの短い出会いだったのに、おぼえていてくれたとはとてもうれしかった。わたしも近々、バリ島にパパイヤを食べに行く。ダンディな男にはパパイヤが似合うのだ。

あ、それと最近こんな本を出しました。なんで毒なの? って、そりゃ、ダンディな男には毒があるからです。

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コメント

 パパイヤを腹いっぱい食べたいですね。あれは変な蛋白質や角質を分解してくれるのです。
先日、オーストラリアの牛肉のすね肉をパパイヤで揉んで、一日置いて食べました。柔らかくなっていた。パパイヤの皮を肘とか膝などの角質が表面化している部分に当てておくと、固い部分がとれる。寝る前にパパイヤの皮で顔パックすると朝には顔が溶けている。買い置いた胡椒が少なくなったので、それを買いに行くついでにパパイヤを食べにインドネシアに行こう、と思いました。
 「石」の話も面白い。昔、石のように密度の高い黒檀の厚い板(厚さ20センチ)の上で眠ったことがあります。非常に安心して眠れました。
 近日中に厚い泥壁(板築工法)で出来た建物の完成記念で話をしなければなりません。厚い泥壁の密度感を語るのに聖地の石を頭に入れて話そう、と思っております。
 「聖地の想像力」、「へんな毒すごい毒」共に購入して読んでみようと思っています。

パパイヤは野菜として食材に用いられることも多いですね。沖縄料理にそんなのがあったような気がします。

そういえば、上に書いたエジプトの砂漠を歩いていると、こういう石がたくさん落ちています。どれも直径1.5〜2.5センチ内外のほぼ円形のたいへん薄い石です。

表面に年輪のような模様があるものもあり、あるいは石ではなく有孔虫の化石かなとも思うのですが、いまだによくわかりません。貨幣石という貨幣によく似た石があると聞いたこともあるのですが、これがそれにあたるのかどうかわかりません。このあたりは古代には海だったので、ところどころサメの歯なども落ちています。

お呼びですか? どうも会社のコンピューターからは書き込みができないので、自宅で書き込んでいます。

ここが長いと指摘したのは、あなたの愛妻だったんじゃなかったっけ? もっとも私も同意したのですが。前後の構成のバランスが悪いという意見だったんですね。植島さんはもっぱら後ろの文章が気に入っていたようですが、それならそれで、それだけで1冊の本にしたほうがよかっただろうと思います。

今から考えるに、タイトルがいまいちだったかな(笑)。装丁は評判がよかったんだけど、並製の割には価格も高めだったし。

じゃあ、次の本は是非ともたくさん売りましょう。植島先生、また買って下さい。ついでに生徒にも無理矢理買わせて下さい。

 「へんな毒すごい毒」渋谷紀伊国屋で購入しました。なかなか面白い。すごい調査力だが、表現がおさえてあって上品。
 ブータンではいさかいの仲直りとしてキンマ((ビンロウの実)をを二つに割って、お互い噛んで仲直りをする。その際、形は仲直りなのだが実を割るギチューという短刀の裏側に遅効性の毒を塗って相手に渡す。形は仲直りだが、毒を塗られた方は、しばらくして死にます。
 昔、メキシコの市場で途方も無い塑像を売っていた。それらを作っている村の名を頭に刻み込み、10数年後、機会をとらえて行ってみた。ペユーテ効果で塑像を作っている、と思われた。その村の教会内部の装飾がふっとんでいて、たまたま誰もいなかったので撮影した。村にはペヨーテ・バーがあり、誘われたが入らなかった。山の中の自治区のようなところだったのでバーは堂々と営業していた。でも、入らなかった。そのときの教会内部の写真を発表したいが、説明が「・・・・かと思われる。」になってしまうので発表はしていないが、、、、。
 毒って我々の生活の隣にあるので毒を知ると、少なくとも自分たちの存在認識が立体的になりますね。
 小学校のとき随一、好きだった先生が沖永良部島出身で、戦後の食糧難のときソテツの実もさらして食べたんだぞ、と語ってくれました。それをそのまま食べると牛でも倒れる、という表現が耳に残っています。
 では。

>小松田堂鐘さま
さっそく買っていただいてありがとうございます。
>毒って我々の生活の隣にあるので毒を知ると、少なくとも自分たちの存在認識が立体的になりますね。
そうですね。結局どこからどこまでを異物と見なし、どこからどこまでを自分と見なすかという免疫論に似ている気がします。そのメキシコのペヨーテ教会?内部の写真、見たいです。

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