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大人の扇風機

ヘルニア手術記のことを書くつもりが、また間があいてしまって季節はもう夏である。手術痕もだいぶ目立たなくなってきた。初めのうちは、患部の切開痕がマンゴーの種を埋め込んだような形に盛り上がっていて、さわるとかちかちに硬かったのだが、それがだんだんしぼんできて、いまではシシトウくらいにまで縮んだ。


ヘルニア手術記のつづきは次回書くとして、その前に最近のちょっとした発見について記しておきたい。だんだん暑くなってきたので、最近、物置から扇風機を出した。ところが、今年のうちの扇風機は、昨年までとちょっとちがうのである。なにがちがうかというと、今年の我が家の扇風機は「大人の扇風機」になってしまったからである。


扇風機に「大人」と「子ども」のちがいがあることを知っている人は、ほとんどいないだろう。ぼくもそうだった。けれども、今年の我が家の扇風機は、まごうことなく「大人の扇風機」としか呼びようのないものになってしまった。
 

「大人」といっても回すと羽にエッチな絵が浮かび上がるとか、そういういかがわしいものではない。ここでいう「大人」とは思慮分別のある人という本来の意味である。そういわれても、わけがわからないと思うので、写真をごらんください。
Rimg0019_1


これが大人の扇風機である。もとはなんの変哲もないふつうの、というよりふつうより安い扇風機なのだが、見ればわかるように羽を覆っている円い金属製のガードがない。去年まではあったのだが、先日物置から出したときに、ガードを留めているネジがどうしても見つからなかった。

 
とりあえずガードをつけないまま組み立ててみたのだが、できあがってみるとガードがあるよりも、ずっとカッコいいではないか。すっきりとしてスタイリッシュである。白とスケルトンというカラーコーディネートなんか、なんとなく iPodとか、iPhoneとかみたいで、 iFan と名づけてもさしつかえなさそうなほどだ。そこでアップル製品といっしょに撮ってみた。
Pict0056_1


うーん……やや無理がある感は否めない。とはいえ、扇風機という電化製品がいまひとつデザイン的にあかぬけなかったのは、あのガードのせいだったことははっきりした。あのもっさりした丸っこいガードのおかげで、扇風機はどうしてもぼてっとした印象を与えてしまう。いくら台座の形や色を工夫しても、あの重たげなガードがあるかぎり扇風機はデザインとして決まらないのだ。


ガードの役割は、当然ながら、うっかり手を触れて怪我をしたりしないようにするためだ。つまり、不注意な子どもとか、大人だったら、たとえばうっかり八兵衛みたいな判断力の劣った者にたいする配慮から装備されているのである。

 
逆にいうと、ガードが存在することによって、扇風機のデザインには子どもやうっかり者に対する媚びがどうしても含まれてしまう。これが大人のデザインにとって致命的なのだ。どんなにスポーティーな自転車であっても補助輪がついていたら台無しであるように、扇風機もまた、ガードがあるかぎり、どうしてもスタイリッシュな家電の仲間入りができなかったのである。
Rimg0022


ガードのなくなった扇風機は、頭部がすっきりして、どことなく高原に立っているエコ風車にも通じるようなスマートさすら感じられる。回してみると、さらにそのよさがわかる。スケルトンの回転翼は光を反射して、ときにCDの記録面のように虹色にかがやく。しかも、静かである。金属製のガードがない分、空気抵抗がなくなるためだろう、そのままで静音設計になってしまう。いいことづくめである。


もちろん、大人の扇風機の扱いには十分な注意が必要である。ガードがないのだから、幼児や子ども、小動物、あるいは大人であってもうっかり八兵衛のような人のいる家庭では、この扇風機は使えない。手でもふれたら痛いだけではすまないし、衣類などを巻き込む可能性だってある。まかりまちがっても、回転する羽の前で「あーっ」と声を出して、その音が「あ、あ、あ、あ」と変化するのを楽しもうなどという子どもっぽい真似はしてはならない。また、天井や壁から衣類をつり下げているようながさついた部屋での使用も厳禁である。つまり、思慮分別と判断力と用心深さを兼ね備えた本当の大人だけが、この扇風機のユーザーとなることができるのだ。


じつは、ガード留め用のネジがないのに気づいたとき、すぐメーカーにネジを注文していた。そのネジは10日ほどしてから届いたのだが、こうして「大人の扇風機」の緊張感に慣れてしまうと、いまさら「子どもの扇風機」なんてちゃんちゃらおかしくて使えない。家族には「こんなの、危なくて使えない」とか「羽がゆるんで吹っ飛んできそうで怖い」とか不評なのだが、どだいガキや粗忽者どもに、この大人の洗練をわかれというほうが無理というものだろう。


スマートで、スタイリッシュで、かなりデンジャラス、そんな「大人の扇風機」は、今日もクールな風を送ってくれている。あなたの家の扇風機も、この夏は一皮むいて「大人の扇風機」にしてみませんか。

 
 

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コメント

いいですね。かっこよい。
旅先のベッドの上にある、天井ファンのことも思い出します。
あれはあれで、寝ている間にネジがゆるんで落っこちてきたら……と心配でしたが。
しかし個人的には、術後経過も心配です。

眞紀さん、お久しぶりです。
このかっこよさがわかるとは、やはり眞紀さんは大人の女性でいらっしゃる。この調子で大人の掃除機や、大人のエアコンなども開発したいと思うのですが、どこから手をつけたらいいものか。

術後ですが、人前で鼠径部を押さえなくてすむようになったのはうれしいかぎりです。くしゃみもできるようになりました。ただ、調子に乗っていると反対側の鼠径部がぽっこりすることもあるそうなので、以前のようなおやじくしゃみはしないようにしています。

はじめ??本文を読んで クスリ!と笑ってしまいました。
子供が、”僕も早くおとなになって、あんなかっこいい扇風機を部屋に置くんだ”とあこがれる対象になるといいですね。
子供からすべての危険を取り除こうとばかり(無理なんですが)何でもかんでも保護してしまうような風潮が、かえって大きくなってから危険を察知する心のアンテナを鈍くしているような気がします。海外旅行で会った若い日本人を見て、事故にあうのも運とアンテナの感度の問題だなーと思ったことがあります。
昔、子供のころクラスに必ず脱腸の子が一人くらいはいて”やーいだっちょだっちょとからかわれていたのを思い出しました。…俺ではないですよ!!

ゴンさん、ありがとうございます。
「僕も早くおとなになって、あんなかっこいい扇風機を部屋に置くんだ」というのはいいですね。「子供からすべての危険を取り除こうとばかり何でもかんでも保護してしまうような風潮が、かえって大きくなってから危険を察知する心のアンテナを鈍くしている」というのは、まったく同感。
ひところ除菌・抗菌というのが流行っていましたが(いまもかな?)、あらゆる菌を滅してしまえば、かえって自分の抵抗力を弱める結果になりかねないのと同じですね。

防護網なしの扇風機「強」をやめて誰かが不用意に触れたら回転羽がとれてしまう、というのを製品化するのは簡単だと思う。でも、扇風機に固定観念を持つ消費者、販売店、また業界監視官庁の販売許可などを考えると商品化は難しいだろうから個人的に、大嫌いな言葉だけれど「自己責任」でシンプル・デザインを楽しむほかないのでしょうね。身近なものに自由な発想で対する、というのは好きです。固定観念に縛られているのはイヤですものね。
6月にヨーロッパで使ったクレジット・カードの請求が来て、ユーロが170円を超えている。笑ってしまう。トスカーナの中世都市の何も変哲のないホテルが一泊5万円以上するイタリア。もちろんそんなところには泊まらなかったが、こうなると「何がトスカーナだ」と言いたくなる。ポルトガル?非常に高いのですよ。あのエスクードを使っていたポルトガルは幻で過去。この頃のヨーロッパは肌触りが悪い。

ぐうっ、1ユーロ170円とは!
ポルトガルも高いのですか。アルファマ地区の夢のように安かった宿ももうないのだろうな。ナザレあたりの路上のイワシの丸焼きはどうなのだろう。いまさらですがエスクードもドラクマもペセタもリラもないヨーロッパにまだ感覚が慣れません。

この大人の扇風機を拝見するうちにさらにキャスターを取り付けて「強」で運転したら、果たして自走するだろうか、という疑問が沸いてきました。

きっと重量的に無理でしょうけど、それならもっと軽くする改造をしたり、羽根自体を大きなモノにするなどのパーツ交換とか、まるでクルマの改造マニアや昭和初期の飛行機技師のようではないですか。

台所で食器など洗っている時など、「暑いわねー」などと言いながら、リモコンでスイッチオンした瞬間、背後から高速で襲い掛かってくる「キレた」扇風機なんかはかなり恐ろしいと思います。

あ、でも逆回転じゃないとリバースか。

真知さん、更新を心待ちにしているのですが…。

>さっちゃんさま
ああ、お待たせしてしまって、ごめんなさい。近々かならず更新します。

>あるあす様
なかなか涼しくならず、大人の扇風機はまだ活躍中です。さすがに自走はしませんが、キャスターつけたら動くかもしれませんね。
カイロにいた頃に使っていたドラム式の洗濯機は使うたびにガリガリと音を立てて、20センチくらい自走していました。

田中真知さん、ごぶさたしております。
2年半ほど前に農業を志して東京を出た鈴木かおりです。
いまなぜか大分におります。詳しいことは、最近始めた私のブログでご覧ください。↓
http://biwatoumi.cocolog-nifty.com/

ブログ書くのも、人のブログにコメントするのもまだ不慣れです。
でも王様の耳掃除の更新、私も心待ちにしております。 

>鈴木かおりさま
うわ、お久しぶりです。
うっかりメールに気づかず、返事が遅れてすみませんでした。
ブログ拝見しました。いまは大分にいらっしゃるのですね。
お元気そうでなによりです。またご連絡をくださってたいへん嬉しく思います。
更新、します。

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