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秋の山で反省

前々々回、季節はもう夏だと書いたのに、すっかり秋も深まってしまった。それはたんに更新が滞っていただけのことなのだけれど、じっさい秋の初めから冬にかけては時間がふだんにもまして加速するように感じられる。この加速にのって更新もなるべくつるべ落としの勢いで(?)行きたいと思います。

ところで、週末、天気が良かったので紅葉を見ようと思って10年ぶりくらいに高尾山に行った。紅葉もちょうど見頃で観光客も多かった。奥高尾にむかう途中、もみじがきれいな真紅に色づいているあたりで立ち止まって眺めていたら、後ろからやってきたリュックを背負った中年の男性に声をかけられた。

「あのー、これはなんですか?」そういって男は目の前のもみじを指している。

「ええ?」と一瞬答えに詰まる。もみじはもみじでも、なんという種類のもみじなのかは知らない。同じもみじでも赤く色づくものもあれば、黄色くなるものもある。もみじとかえでというのも、よくは知らないが、厳密にはちがうのだろう。

答えられずに口ごもっていると、後ろから来たおばさんがたまたま会話を聞いていて「これはいろはもみじじゃないかしらね」といった。へえ、この赤いのは「いろはもみじ」というとは知らなかったなと思っていると、先ほどの男性は「もみじ? ああ、これがもみじですか」とさも感心したようにうなずく。

もみじを知らないなんて、からかわれているのではないかなと思ったが、顔は大まじめだし、言葉遣いもていねいだ。世の中には秋の山を歩いていても、もみじという名を知らないひともいるのか、と驚いた。

すると、つぎに彼は少し離れたところにある葉が黄色く色づいた木を指し、「あれはなんですか」といった。

「あれは、いちょうですが……」

「ああ、あれがいちょうですか。どうもありがとうございました」そういうと男はていねいに会釈して、先へと行ってしまった。

うそをついていたり、ふざけていたりしているようには見えなかった。彼はもみじやいちょうという木を見たことがなかったのか、それとも知っていたのだけれど名前だけ知らなかったのか。いずれにしても日本でもみじやいちょうという情報にふれずに何十年も暮らせるものだろうか、とそこまで考えたときに、はたと気づいた。流暢な日本語をしゃべっていたけれど、彼が日本人だったとはかぎらないではないか。

ずっと前、アルジェリアに行ったとき、小さな町のカフェの軒先につるされた鳥かごに、きれいな声で鳴く鳥がいた。「これはなに?」とそこにいたカフェの少年に尋ねると、「ウイ、ムシュー、セ・タン・ワゾー」(だんな、それは鳥ですよ)という答えが返ってきて脱力したことがある。これまでずっと、少年がそう答えたのは鳥の名前を知らなかったからだと思っていた。

だが、もみじやいちょうを知らない外国人がいてもおかしくないように、鳥を知らない外国人がいてもあたりまえだと少年が考えたとしても不思議はない。いずれにせよ、あのとき少年の答えを笑ったことを何十年ぶりかで少し反省した秋の夕暮れであった。


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コメント

 日本語のすごくうまい外国人も確かに多いけれど、日本人なのにまったく言葉の意味が通じないような人も、最近けっこう多い気がするので、実際どっちかわかりませんね。特に男の人には、本気でユリとツツジの区別もつかない人がいて、唖然としたことがありました。

 真知さんの出会われた男性がもし、日本人だけど植物の名前をまったく知らずに中年まで生きてしまった人だとしたら、知ったかぶりせず素直に「あれは何ですか?」と聞く態度は、むしろ敬服に値します。通りすがりの相手だからこそ、聞けたのかもしれないけど。

 それにしても、すばやい更新にびっくり。
 次はまたクリスマススペシャルくらいかな・・・と、思ってました。

>鈴木かおりさま
ユリとツツジの区別もつかない人(内心、ドキッ…)
すばやい更新、これからも心がけます。
いくらなんでも「最近の記事」に去年のクリスマスの話が載っているのはないよなあ。
デザインも衣替えしました。

私、エチオピアにいたときに蝶の名前を知りたいと思って、

「これは何て名前?」

 と聞いたら、

「それはね、蝶っていうんだよ」

って教えられたことあります(笑)

片っ端から聞いてみたら、みーんな「蝶」でした。

蝶なんて食えるもんじゃないし、あれほど人畜無害な昆虫っていないから、関心持てないんでしょうね。

>lalombeさま
エジプトでも、その辺の人に尋ねると、「木」はたいてい「木」でした。
生活にかかわりないと、そんなもんなのでしょうね。
ちなみに、ぼくは最近の車の見分けがつきません。
フィットとかマーチとか、どれがどれだかよくわかりません。
あと、お笑いタレントの区別もつきません。
ただ、女性タレントについてはこのかぎりではなく、エビちゃんと押切もえの区別はできます。

あははははは。
生活にはまったく関係ないけど、
関心だけはたっぷりある、
ということですね。

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