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続・名前のわからない神さま

前々回のエントリーで、「大英博物館 古代エジプト展」で展示されている「死者の書」に描かれている風変わりな神さまのことを書いた。おそくなってしまったが、今回はその続編。古代エジプトでは動物と人間が合体したような神さまが多い中、この神さまは異色である。子どもの落書きのようなシンプルなその姿は職人の手抜きなのか、それともそこには隠された意図があるのか。いずれにしても気になる。

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この神さまが気になる人は自分だけではないようで、フェイスブックでもエジプト学研究者の間で話題になっていた。ルクソール在住のイザベラ・ファロッパ・ソリマンさんは、同じく研究者のKento Zenihiroさんとのやりとりの中で、この神さまをDr. Tosi Marioの「Dizionario enciclopedico delle divinità dell'Antico Egitto」という本の中で見たことがある、と書いていた。


それによると、この神さまにはなんと名前があった! イザベラさんに許可をいただいたので、そのコメントを引用する。


「彼の名前はメジェドで、『死者の書』の17章に登場します。花瓶に目を描いたような姿のときもあれば、額にバンダナを巻いているときもあります。男根のような姿をしているときもあれば、オシリスの頭部を納める容器のような形をしていることもあります・・・」


そうか、メジェドというのか。うーん、なんとなく名前がないほうがかっこいい気もしたが。。。額にバンダナを巻いている? なんだ、それは? 「男根のような姿」というと、ユーモラスでかわいいイメージが、急に生々しくなってしまうなあ。


この本にはそのバンダナを巻いたメジェドの姿のイラストが載っているという。これである。。。
 

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まるで夏祭りで盆踊りでもしそうだ。さるかに合戦の「うすどん」みたいにも見える。古代エジプト人は、本気でこの神さまを信仰していたのか? いったい、どんな神さまなんだ。イザベラさんの言葉をつづける。


「テキストにはオシリスの館の目に見えない神さま、とあります。ライオンや牡牛の頭をつけていることもあります。ハヤブサの頭をしていて、光線を放ってオシリスの敵を打ち倒すこともあります。また、空を飛ぶこともでき、火を吐いて、洪水の到来を知らせたりもします。彼は新年のはじまりを告げる、ホルス・ソペドというナイルの使者とも考えられます・・・」


空を飛んだり、火を吐いたりもするのか。。。口もないのにどうやって火を吐くのだろう。そのときだけハヤブサの頭をつけたりするのだろうか。こんななりをしているけれど、けっこうワイルドな性格だったんだなあ。人は・・・いや、神さまは見かけによらないな。


「彼は炎の岸辺に暮らし、人間の心臓を食べ、死者のからだを言祝ぐ。おそらく、メジェドはいまだ地平線に現れないホルスの姿であり、オシリスの丘か、あるいは葬儀用の壺の中にいまだとどまっている存在である・・・両脚はすでに墓の外に出ていて、目はまだ見えない。それは光の下に現れ、再生する準備をしていることを示している」


う〜ん、心臓を食べてしまうとはワイルドというよりホラーではないか。でも、口もないのにどうやって食べるんだろう? あとは古代エジプトの神話の知識がないと理解しにくいが、ややこしくなるので省略。要するに、この神さまがいかにも神さまっぽい姿をしていないのは、まだ地上に生まれる(復活する)前の姿を表しているかららしい。ずんどうの胴体はまだ土の中というか、オシリスの丘の中に埋まっている状態を表し、そこから脚だけが飛び出している、ということなのかな。墓から脚が、というのもホラーっぽい。


Kento Zenihiroさんによると、大英博物館のウェブサイトに、「このヘンなものはなんですか?」という質問に対してキュレーターのジョン・テイラー氏が答えているページがあるという。テイラー氏も、この神の名が「メジェド」であると答えている。『死者の書』には「この神の名は “打ち倒す者” といい、オシリスの館に暮らし、目で敵を倒す、だがその姿は見えない」と書かれているという。ということは、つまり、この神さまのずんどうの適当なからだつきは、目に見えないことを表しているということなのかな。いわば逆子のような状態で脚だけが飛び出している、ということなのか。。。


ということで、フェイスブックではすでに公開済ですが、バンダナ(はちまき?)を巻いているバージョンもつくってみました。


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コメント

古代エジプトの絵の基本は、かならず横向きに描かれると教わったことがありますが、メジェド氏(氏?)は目が二つ、つまり正面向きに描かれているのがまず最初に非常に違和感を覚えたことです。
そのなんともいえない姿以上に、「なんで、一人だけ前向き?」ということが、エジプト展で不思議でした。

>眞紀さん

正面向きに描かれる神さまも少ないけれどいますよ。安産の神さまのベスはいつも正面向きです。
古代エジプトでは人間は、顔は横向き、体は正面向きで描かれます。この神さまの場合、体に目が描いてあるようなものなので、正面にしてしまえということになったのでは。
顔を横、体は正面というのは、身体的特徴をわかりやすく表現するためといわれています。この神さまを横向きにしたら、鼻も口もないのでかえってなんだかわからなくなってしまうからではないでしょうか。

「姿がないという姿」を表わそうとした苦肉の策というのは、なんとなく理解できます。口がなくても、何らかの「存在」でさえあれば、心臓を食ったり火を吐いたりはできそうな気がする。
それにしても、なぜか眉毛はあるんですね・・・ハチマキバージョンのほうは、二重まぶたのようにも見えますが。

>かおりさん

目に見えないという状態を目に見えるように表現した、ということなんでしょうね。それにしても、どうしてはちまきなんだろう。。
眉毛はありますね。古代エジプトでは、目は隈取りをほどこしたように眉毛とセットで描かれることが多いです。

すっかり遅くなってしまいましたが、またやってまいりました~~~。

そうですか、メジェド神というお名前でしたか・・・。
しっかしこの、バンダナというよりは鉢巻を巻いた姿・・・(^^;
ホント、うすどんですね(笑)
そして、説明を拝読して、ますますわけがわからなくなりました。ホラーだしワイルドだし(笑)

いや~やっぱり古代エジプト文明、面白いですね。
なんでもあり、の世界だし。

あと、私、蛇の神様に足があるのも笑ってしまいました。
まさに「蛇足」。

>あきささん

はち巻きはなぞですね。ほんとにうすどんです。蛇足の神さま、ルクソールのトトメス3世の墓で見られます。

火を吐いたり、空を飛んだりできるなんて、見直しました!
臼どん、否、メジェドン(笑) 尊敬します(^-^ゞ

>ЁСИЮКИ НАРУСЭさま
メジェドン、いい呼び名ですね。
ゆるキャラとしてメジェドン祭りなんてあったら面白そうです。

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