翻訳本『10代からの社会学図鑑』が発売!
わたしが翻訳した『10代からの社会学図鑑』(クリス・ユール&クリストファー・ソープ/三省堂 2200円+税)が本日(11月22日)発売です。
世の中であたりまえや常識と思われていることの多くが、じつは時代や社会のありかたによって規定されることを示してくれるのが社会学。アイデンティティ、教育、制度、犯罪、貧困、宗教、グローバリズム、健康、男女の性といったものも、自明のものではなく、その概念を扱う社会とのかかわりを抜きには考えられません。
そうした社会学の基本的な考え方が見開きワンテーマでイラストをまじえて平易に、しかもかなり広範囲にわたってていねいに解説されています。マルクスやデュルケームから現役の社会学者まで人物ごとの紹介つき。「10代から…」とありますが、30代でも90代でもノープロブレムです。もっとくわしく知りたい方には同著者による『社会学大図鑑』(三省堂 4200円+税)もあります。
以下は校正校閲と、編集の一部を担当された藤本なほ子さんによる紹介文です。(´Θ`)ノ
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7月に刊行された『社会学大図鑑』の姉妹編といえる書籍で、編著者も共通しています。
『10代からの社会学図鑑』は、人物ごとの項目立てだった『社会学大図鑑』とちがい、テーマごとの項目立てです。現代社会における諸問題を直接に扱い、若い読者層の関心も惹きやすい構成となっています。
「社会学を知る」というより、「社会学的な視点から個人的/社会的な問題をとらえ、考える」という方針が前面に出された本です。(その結果として、社会学を直接に知り、「社会学的想像力」を身につけていくための本となっています。)
この方針が全ページで実践され、かつ欧米の社会/時代/歴史の文脈に沿っているので、一定の教養のある方々にも必ずや得るところが多いだろう、と思います。
目次
○社会学って何?
○社会学者はどんなことをするのか?
○研究方法
「私ってだれ?」(アイデンティティ)
・私のアイデンティティって何?
・女の子、男の子
・女性と仕事
●人物紹介/ジュディス・バトラー
・私はどこに属するの?
・人種って重要なの?
●人物紹介/イライジャ・アンダーソン
・だれを愛していますか?
・年齢と社会
・家族ってどういう意味?
・いまは、みんな中産階級なの?
●人物紹介/カール・マルクス
◎実生活のなかの アイデンティティ
「社会は存在するのか?」(社会制度)
・学校は何を教えるの?
・制度って、いいものなの?
●人物紹介/チャールズ・ライト・ミルズ
・権力をもっているのはだれ?
・宗教の社会的役割は?
・宗教は、まだ重要?
・田舎暮らし 都会暮らし
・コミュニティの感覚
●人物紹介/マックス・ウェーバー
・私たちはどうして働くの?
・仕事はどう変わる?
●人物紹介/アーリー・ホックシールド
・監視される労働者
◎実生活のなかの 社会制度
「なぜすべてが悪くなるのか?」(犯罪と健康)
・なぜ人は罪を犯すのか?
●人物紹介/エミール・デュルケーム
・社会のルールを破る
・ホワイトカラー犯罪
・私たちはみな撮影されているのか?
・推理小説?
●人物紹介/ハワード・ベッカー
・健康と平等
・生きづらさとメンタル・ヘルス
◎実生活のなかの 犯罪と健康
「どうして世界はこんなに不公平なのか?」(富と発展)
・スーパーリッチ
・富と地位
・貧困のわな
・悪いのはだれ?
・人種差別はどこから来た?
・発展途上国は、どうしてまだ発展しないのか?
●人物紹介/ボアベンテュラ・デ・ソウサ・サントス
・グローバル化は、よいこと?
・グローカリゼーション
●人物紹介/サスキア・サッセン
・私たちは地球に何をしているのか?
●人物紹介/アンソニー・ギデンズ
◎実生活のなかの 富と発展
「現代の文化」(文化とメディア)
・我買う、ゆえに我あり?
・文化とは何か?
●人物紹介/ピエール・ブルデュー
・余暇
・私たちは不確かな時間を生きている
●人物紹介/ジクムント・バウマン
・マスメディアはあなたに影響を及ぼしているか?
・だれがメディアを所有しているか?
・だれが、何をニュースであると決めるのか?
・あなたは、どこからニュースを得ているか?
・インターネットは、あなたに何をしているか?
・あなたはオンラインで生きているか?
◎実生活のなかの 文化とメディア
○社会学者人名録
○用語解説
○索引
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